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「核兵器廃絶」と憲法9条



2024.4.9

腐敗した自民党による改憲を許さない

ー「核の時代」でこそ9条が求められるー

  

 今国会は「裏金国会」などといわれている。国権の最高機関(憲法41条)である国会が何ともお粗末な状況にある。その原因は自民党議員のカネに対する汚さだ。

 政治資金規正法は「議会制民主政治における政党や政治団体の重要性にかんがみ、政治資金の収支の公開などの措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与する」ために制定されている。

 キックバック議員は、正確な「政治資金の収支」が大前提なのに、それを意図的にごまかしたのだ。今回の事態は、政治の「公明と公正」を害し「民主政治」の根幹を揺るがす大問題なのだ。彼らは「民主政治」を理解しない「無法者」であることを確認しておく。

 

 ただし、彼らの腐敗と堕落を政治不信一般としてはならない。この事態は「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」という箴言のとおりの自民党の腐敗だということを見抜かなければならない。

 有権者が見抜いていることは、「保守王国」といわれる群馬で共産党が自主支援する候補者が当選したこと、京都市長選挙では、私の知り合いの福山和人弁護士が、自民、公明、立憲、国民が推薦する候補の陣営に「もうダメかと思った」と言わせる大奮闘をしたことなどに現れている。この所沢でも、自民党市長が落選している。有権者は、腐敗は嫌いだし、誰が自分の味方なのか、きちんと見ているのである。

 

 今、島根1区、長崎3区、東京15区で衆議院補選が予定されている。自民党が候補者を出せない選挙区もあるし、立憲の候補者を共産が自主支援するという選挙区もある。大きな変化が起きるかもしれない。「市民と野党の共闘」にも期待している。

 

 ところで、その自民党は憲法改悪を進めている。緊急事態への対処、議員の任期なども言われている。緊急事態において、政府と与党にすべて任せろと言うのである。何とも「恥知らずな言い草」だと思う。法を守らない者たちが、自分に権限を付与している憲法を変えようというのだから「鉄面皮」というしかない。

 

 のみならず、改憲の最終目的が9条の廃棄であることは明らかだ。「安保三文書」は、国家を挙げての防衛力の強化や「拡大核抑止力」を含む日米同盟の強化を内容とする「先軍思想」に基づく「国家総動員体制」の確立が必要だとしている。米国などと協力して、中国、北朝鮮、ロシアとの軍事衝突に備えようというのである。

 岸田首相はその誓いを述べるために米国に召喚されている。「国賓」という名の「朝貢使節」のように見えてならない。

 

 武力行使が人々にどのような凄惨な事態をもたらすかは、ウクライナやガザを見れば明らかではないか。しかも、核兵器使用までもが危惧されているのである。にもかかわらず、彼らは武力に依存しようというのである。「平和を望むなら核兵器に依存せよ」という核抑止論である。「平和を望むなら戦争に備えよ」というローマ時代への回帰である。

 

 そもそも、9条誕生の背景には、「核の時代」にあっては、文明が戦争を滅ぼさなければ、戦争が文明を滅ぼすことになる。戦争をしないなら、戦力はいらないとの思想があったことを忘れてはならない。

 「核の時代」であるからこそ、9条を護り、それを世界に広げることが求められているのだ。キックバックを受けた諸君を国会から放逐し、核兵器廃絶と9条擁護と世界化の運動を進めなければならない。(2024年4月9日記)




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